会えないことになった日

:::会えないことになった日:::

01. 『オレンジの匂い』

オレンジのリップクリームつけた
甘い匂いがうれしくて
たとえば果物えらぶとき
甘そうなやつを手に取るでしょう?

あなたもどうか 私を取って

02. 『ランチ後』

あなたいなくても 私はどこにでも行ける
食べることも 笑うこともできる
あなたがいなくても

考えないでいようと
大きく息を吸い込んだ
けど息を吐く時にはすでに
あなたのことを考えてた

だけど 友達に話してみたとしても
あなたじゃないから意味がないのよ

03. 『愛情』

一体いつ この胸に
あなたは種を植えたのだろう
肺と肺の 隙間を伝って
この気持ちの芽が出てきてしまう

あたしをこんなにも喜ばせたり
怒らせる人は あなたしかいない

情よりも愛が いつまでも強くありますように
気が遠のくほど 続く空と地
これ以上はないと思える時も
まだ上がある もっと深くなる

04. 『一枚のガム』

ずっと あなたを見ていたくて
でも それだけでいいなんて言えなくて
苦し紛れに 離れてみても
こころは「変われない」と言うだけ

05. 『90%』

残しながら消しながら 音よりも速く
味方じゃなく 敵でもなく 時間は過ぎていく
誰かの10%の中に溶けて
記憶のあたしは 今でも笑う

あなたが生きている限り その中で
あたしは死ぬことがないのに

06. 『自転車』

あんな言い返し方しか できなくて

でも人がつけた傷は人にしか 治せない
戻らなきゃ
逃げられても 逃れられない
土砂降りの雨の中 走る

07. 『目』

目だけが本当の あたしを語るなら
彼が好きなのは 女の子そのもの
きっと あたしではないのよ

彼は その目が嫌いだと言う

08. 『ラストデイ』

雨音が拍手のように 聴こえる
ありがとうを交わせたなら
暖かな 明かりが当たる

09. 『午後』

そうだ どこか遠くに行こう
ここには長く居過ぎてしまったわ
小さな窓から このベランダを
見下ろせば懐かしく思えるのに

飛行機はもう 建物の上に
まわり込んで ここから見えなくなる

そう どこにでも行ける

10. 『九月』

ここがあたしが育ったところ
あの学校にいやいや通ってた
裏山に小鳥のお墓があるの
小さくてつまらない話ばかりだけど
この小さなことで あたしはできてる
全部見ていて 知っていて そして

もう一度 あたしを見て
ずっと一緒にいたみたいでしょう
もしもあたしを傷つける時には
どうか目を 逸らさないでいて

11. 『このまま』

あなたの語尾が優しく下がる
全ての神経が耳に集まる
受話器につかまって話してると
沖に浮かぶ浮き輪かと思うほど

2人が眠くなるまで このまま
話していましょう
話が途切れても 繋がっているだけで
もう足りているから